同業種への転職について

「転職」というもの大きく二つに分けるとするなら、「同業種での転職」と「異業種への転職」に分けることができます。
前職で得た経験や技術あるいは人脈をそのまま活かすことができる。という点において同業種での転職の方が有利なのは間違いありませんし、経験があるということは自分にとって0から始めるよりもある程度ゆとりができるということになります。

業界の仕組みがわかっている即戦力
既に同業種の企業で働いているのならその業界の仕組みはわかっているはずですし、経験・技術を見に付けているのであれば入社当初から即戦力として活躍することができるでしょう。
企業もそれを期待して採用するでしょうから、選考においても有利に運ぶ可能性の方が圧倒的に高くなります。そのうえやはり同業者らしく前職の会社にいるうちから次の会社の情報をある程度手に入れるのもたやすいと言えるでしょう。

ですが、同業種への転職にはメリットばかりではなく、デメリットもたしかに存在します。

ライバル会社への転職
そもそも同じ業種で転職をするということは、競合他社に就職するということに他なりません。会社によっては入社時の契約書類に、「退職後○○年間は競合他社に就職しない。」という文言を載せている場合もあります。
入社の時点でその書面にサインをしているわけですので、その上で競合他社に直接転職してしまった場合には訴訟を起こされてしまう可能性すらあります。
さらに問題なのは会社だけではなく、そこに勤めている人たちとの人間関係にすら亀裂が入ってしまうかもしれないことです。別にそれで構わない。というならいいのですが、元・仕事仲間から冷たい視線を浴びたり後ろ指をさされるようなことになってしまう可能性は大いにあるでしょう。悪い言い方をするならば、「裏切り者」ということになってしまうのですから。
またライバル会社に就職したからこそ、絶対に喋ってはいけないことも確かに増えてきます。前職の会社の社員以外知りえない企業の機密を万一にでも漏らしてしまうことがあったりしたら、完全にアウトです。ご注意を。

同業種、競合他社への就職ならではのしがらみじみたデメリットではありますが、社会人であり会社員であるとはいえ人間同士の付き合いとなると仕方のないことなのかもしれません。
経験や人脈といった仕事で身に着けた能力を活かしてその業界内を渡り歩いていくのも、一筋縄ではいきませんね。